事故処理ノート

事故事例や判例につき、組合員の皆さまのご参考になる特徴的なケースをご紹介しております。

赤信号で横断した歩行者との接触による事案

事故の概要

本件事故は、深夜午前2時頃、組合員車が交差点を青信号で直進中に、赤信号を無視して飛び出してきた相手方歩行者(20代前半の女性)と接触し、相手方は頭部を強打し、意識不明の重体となり、「びまん性軸索損傷による高次脳機能障害」の診断を受け、後遺障害併合2級を残す重症となる事故でした。

本件の問題点と解決までの経緯

本件では、赤信号を無視して横断した相手方歩行者の過失割合が主な争点となりました。

相手方は弁護士に委任のうえ、無過失を主張して、慰謝料や、将来の介護費用などを含め、1億6,000万円の損害賠償請求をしてきました。

当方は、本件事故が深夜帯であり、視認が遅れる可能性が高いこと、相手方が横断してきた交差点は、歩行者横断禁止エリアであり、陸橋も整備された交差点であるにもかかわらず、横断してきたことが主な原因であると指摘し、相手方に少なくとも70%以上の過失があると主張しました。

当方は、顧問弁護士に相談の上、相手方の請求に対して、総額1億4,000万円から、70%過失相殺し、自賠責からの既払額2,710万円を差し引いた、1,500万円程度を示談案として提示するも、相手方弁護士は、無過失主張で、2億円近い請求から、自賠責既払額を差し引いた、1億6,000万円程度請求を求め、訴訟提起をしました。
 
訴訟提起により、相手方弁護士は当方に対し、遅延損害金、弁護士費用も含め、1億8,500万円の損害賠償金を請求してきました。当方は、実況見分調書や、目撃者の証言などの結果をもとに、相手方の過失70%を引き続き主張しました。そして、相手方の事故時の行動の状況について異常はなかったかなど、詳細に調査をし、様々な面で組合員とも数多くの打ち合わせを行い、裁判を進めました。

その結果、訴訟提起より約1年後、裁判所より和解勧告がありました。その内容は、当方主張をほぼ認める形で、相手方の過失が70%と認定し、弁護士費用、遅延損害金も含め、当方の損害賠償額4,200万円としました。その結果、当組合の支払共済金は、自賠責保険支払金を差引して、1,500万円で解決に至りました。

今回の事例では、裁判所の判断は、信号の色や交通ルールが重視されているかが、大きなポイントになったことを改めて認識できた事案でした。

事故処理ノート画像