事故処理ノート

事故事例や判例につき、組合員の皆さまのご参考になる特徴的なケースをご紹介しております。

自転車との出会い頭事故が多発 自転車の気ままな走行に注意を!

自転車事故の増加

近年、エコブーム、健康志向の流れに乗って自転車の利用が増え、それに伴って自転車事故の交通事故全体に占める割合が増加してきています。(平成22年で交通事故全体に占める自転車関連事故は約2割を占め、10年前の1.12倍)次の事故も、自転車と契約車両との出会い頭事故の事例です。

事故事例 (1)

信号のない交差点において、自転車に乗った女性(アルバイト)が携帯電話をかけながら一旦停止不履行により組合員車と出会い頭衝突した事故

-示談結果-
本件のような事故形態の過失割合は、判例によると、自転車40%:組合員60%となります。本件も相手方の過失を40%として示談が成立しました。

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事故事例 (2)

略図の通り組合員車が住宅街の交差点を走行中、横断歩道付近を横断してきた相手方自転車と接触した事故

-示談結果-
過失割合について、判例により基本割合の自転車40%:組合員60%を採用し、相手方自転車が傘を差して運転したことによる過失10%を加算しました。一方、組合員車の側にも、極めて見通しのよい交差点であるにもかかわらず、前方不注意で衝突時まで制動動作を取らなかった過失として15%を加算し、修正して、相手方の過失35%で示談が成立しました。

上記の事案のとおり、自転車は道路交通法上では「車両」であり、過失相殺の対象となります。そして、自転車も交通事故の加害者となる場合が十分考えられます。大阪市浪速区で2011年5月、自転車が信号機のない道路を安全確認せずに横断し、その自転車を避けようとしたタンクローリーが歩道に突っ込み2人が死亡した事故で、事故を引き起こしたとして自転車で道路を横断した男性に対し、大阪地裁は禁錮2年の実刑判決を言い渡しました。同年11月大阪簡裁は、ブレーキのないピスト・バイクで公道を走行していた男性に道交法違反として初の罰金刑6,000円の略式命令を課しました。

政府は自転車の安全利用の推進を掲げ、警察庁も自転車のルール違反に対する取締りを強化していますが、自動車運転者の側も自転車の走行に十分注意を払い走行することが求められています。

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