事故処理ノート

事故事例や判例につき、組合員の皆さまのご参考になる特徴的なケースをご紹介しております。

狭いカーブで単車と正面衝突した事故で、経路の選択に過失があるとされた事例

事故の概要と経過

本件事故は、 午後6時23分頃、 中央線による区分のない右にカ ーブになった見通しの悪い府道を組合員車(A車)が中央よりで走行していたところ、対向進行してきた原動機付自転車(B車)が接近してたのを認め、 双方が急ブレ ー キをかけ、コントロールできず転倒滑走してきたB車と衝突し、その結果B車運転の男性(16歳、アルバイト)を死亡させたものです。本件交渉においては、 相手方が訴訟を提起しました。

本件の争点

本件訴訟では、 主に過失割合が争われました。原告(B車)側は、A車は、道路幅4.9m という狭い道路を、車長12.0m、車幅2.5 mという大型車両であり、右に湾曲する見通し困難な場所では徐行し安全確認すべきところ、対向車両はないものと軽信し徐行もせず漫然と進行した過失により 事故を発生させたと主張しました。
一方被告(A車)側は、B車には道路左側に寄って走行すべき注意義務があるの に、徐行せず道路中央付近を走行した過 失があるとして、B車側にも15%の過失があると過失相殺を主張しました。

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裁判所の結果

道路の左側に寄らなかったという点については、 確かにB車の過失と見ざるをえないが、 A車の側にも事故現場の見通しが悪く、 かつ、 道路幅員が狭いことを知りながら、 車幅2.5mの大型貨物自動車を走行させたことに照らせば、 走行経路の選択に問題があったといわざるを得ないこと、 見通しの悪い右カ ーブを走行するに際して徐行が不十分だったことからすれば、 A車とB車の過失割合は95対5とするのが相当であると判断し、 和解案を提示し、 双方が受け入れて解決となりました。

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